図書室を出るところで振り向くと、松宮くんと目が合った。あきらめたみたいに笑うとこを見るのは初めてじゃない。

月見ちゃんたちには、本当に逆らえないんだななんて確認して、ちょっと気の毒に思ったりした。

 こんなに短い付き合いの私にも、敵に回さない方がいい人たちだって判断はできる。両横のその二人からは、絵の具の匂いがしている。

さっきのさえこちゃんの話を思い出した。確か、花札とか。いったいなにをしていたんだろう、この人たち。