「カツヤ! は持ち出し禁止の図鑑だって、シールの主張が見えないのか、あんたにはっ」
自分よりもかなり大きい男子生徒の首根っこにくらいついているその姿を、いったいなんて表現しよう。
雪見ちゃんたちよりも年上な分、グレードが上がっている気もする。
「結婚でもして、少しは丸くなっていただけたらと、願ってやまないとこなんだよね……」
しみじみとつぶやいて、松宮くんは本の山から、一番上の一冊を拾い上げた。回りがぐるっと、茶色く変色した変なサイズのハードカバー。
タイトル文字の印字すら薄くなってる。これ絶対、ポピュラーな棚じゃない。
さっき花見さんが松宮くんに、『あんたしか読まない』って、そう言ったよね。……松宮くん。もしかして、うちのオヤジと同じ人種なのかもしれない。
いわゆる、ヘンなくらいの、本好き、とか。
自分よりもかなり大きい男子生徒の首根っこにくらいついているその姿を、いったいなんて表現しよう。
雪見ちゃんたちよりも年上な分、グレードが上がっている気もする。
「結婚でもして、少しは丸くなっていただけたらと、願ってやまないとこなんだよね……」
しみじみとつぶやいて、松宮くんは本の山から、一番上の一冊を拾い上げた。回りがぐるっと、茶色く変色した変なサイズのハードカバー。
タイトル文字の印字すら薄くなってる。これ絶対、ポピュラーな棚じゃない。
さっき花見さんが松宮くんに、『あんたしか読まない』って、そう言ったよね。……松宮くん。もしかして、うちのオヤジと同じ人種なのかもしれない。
いわゆる、ヘンなくらいの、本好き、とか。

