ウェルカムアワーズ

 だけど、そんなことを考えてるとこじゃなかった。なんで床に転がってたのか、誰が私を転がしたのか、見てみたら簡単にわかった。

自分の声のほかに、大きな音がしたことも、今になってわかってる。遅い。

「どうしたの? これ」


「さて。どうしたんだか」

 かなり大きな音はしたと思う。通路に本があふれてた。書架が崩れたらしく、書棚がただのおっきな木の箱になってしまってる。

そして、載っていた本が全部落っこったんだ。


 突き飛ばされなかったら、本の下敷きになっていた場所に、さっきまで私は立っていた。ふー、あぶないあぶない。