ウェルカムアワーズ

 私が呼ばれたんだと思うけど、確かじゃない。わかったのは一瞬、宙に浮いた感じがしたこと、と、今壁に押しつけられてるってことだけだ。

押しつけ、って、なんで?! 誰?!


……あれ。

「びっくりしたねーっ。焦げるとこだったよ。危ないのなんの」


「焦げる?」

 なんの話をしてるんだかわかんなくて、私は繰り返した。危ないって、いったい?


 私の腕から手を放すと、松宮くんは床にかがみこんだ。そうだ。松宮くんだ。

 床の上に、白いモノ。それをまず人差し指でつついて、それからつまんで拾い上げた。そして、私の目の前に差し出す。これって、――マシュマロ。マシュマロだ。