泣き言と言ってしまって間違いはない様子になってきた。まさに哀れを誘うその声に、私が負けた。誰よりも。

「あの、よーちゃん、私一人で大丈夫だよ」


「あぁ、ほらもう、葉月ちゃんに気をつかわせてー」

「だって、なんか先生、大変そうだし」


「そうそう。大変なんだよ」

「もー、夏休みなにやってたんだろね、この人は」


「それを言わないで下さいよー。ありがとう、桜田さん。恩に着ます」

「たかさんのソレはあてになんないからね、葉月。一筆書いといてもらった方がいーよ」


「私たちも手伝った証明もらっとかなきゃ。一緒に書かせとくからだいじょーぶ」

「また書くのー? あれをー?」


「覚悟の上でしょ。私たちに声かけたんだからさ」