意味のわかりにくい感嘆を口にして、高木『先生』は私に目を向けた。そしてごあいさつ。ていねいな。

「現国の高木です。二組の授業も僕なんで、よろしく、桜田さん」


「よろしくお願いします」

 ほかにどうにも応えようがなくて、私はそんな風に応えた。現国とは、また地味なものを。地味に堅実に、マジメそうな先生だ。


「はいはい、あいさつはそれでいーから。行こ、葉月。昼休み終わっちゃう」

「図書室はなにかと手続きに手間取るしね。はなちゃん、オリジナルなテンションの上げ方してるから、今」


「そんなこと言わないで、手伝ってよ。次の時間だけど、プリント間に合わないんだよー」