「そうだけどー。よく考えるんだけどね、冬とか寒いときにさ、すっごい急いで自転車こぐのと、ゆっくり風を切らないようにして走るのと、どっちがいいかなって」
「そんなん早く帰った方が寒くなくない?」
「でも、風切るのは冷たくてやなんだな」
「好きにしな」
その後は、特に内容を思い返せないような話を続けて、食事終了。結局最後まで、話題が被服室に、戻ることはなかった。戻さなかった、って言うべきかもしれないけど。
廊下でさえこちゃんがなにを見たのか。怖くて、ちゃんと知ることなんてしたくない私は、話をそこに引っ張ろうなんて思わなかった。
学校のこと、新しいこと、ほかに知らなくちゃならないことがたくさんある。だけど内容は、……思い出せない、ほとんどは。
「そんなん早く帰った方が寒くなくない?」
「でも、風切るのは冷たくてやなんだな」
「好きにしな」
その後は、特に内容を思い返せないような話を続けて、食事終了。結局最後まで、話題が被服室に、戻ることはなかった。戻さなかった、って言うべきかもしれないけど。
廊下でさえこちゃんがなにを見たのか。怖くて、ちゃんと知ることなんてしたくない私は、話をそこに引っ張ろうなんて思わなかった。
学校のこと、新しいこと、ほかに知らなくちゃならないことがたくさんある。だけど内容は、……思い出せない、ほとんどは。

