ウェルカムアワーズ

「葉月ちゃん。早く食べないと、冷めるよ。うどん」

あ。


「……折れたね」

「うん……」


 それはとても不吉に思えて、私以外の二人も、きっとそんな風に考えたんだと思う。私たちの間だけがしーんとして、食堂の賑やかさが、遠いような近いような。

 例え箸が折れたとしても、こんなにはならない。今がもう少しいい状態だったら。

私は当然、それによーちゃんもさえこちゃんも口に出そうとしないけど、あの幽霊の話と進めない廊下の事って、簡単に放ったらかされる事じゃないもの、だって。