ウェルカムアワーズ

 髪を揺らす、って、なんか男の子が女の子見てどきどきするとこだよ。

だけどなんて言うのか私には、松宮くんがやたらとさわやかないい感じに見えていた。


やっぱり笑っている口元とか、町の風景を見ている目とか。景色を見ている人を横から見たりするのって、今までそんなことしたことないや、私。

変な気分かも。変って言うなら、今日は初めからずっと私は変だと言えるけど。


「じゃあ、中に入ろっかー」

 あ。はいはい。


「ここ三階になるんだけど、一年の教室のフロアね。若い順に階段を昇るべきだって設定で、三年が一階、二年が二階って。真ん中の五段くらいの階段を降りた先が中学の教室」