「しかし、なきゃいいってもんじゃないぞ」

 人がたくさんいて、そんなことに私は驚いた。

廊下にいる時は、この教室は空っぽだと思っていたのに、ほとんどクラスの女子全員はそろっているんじゃないかって人数だ。


 輪、を作ってるわけじゃない。私は目を疑いたかったけど、目の前は現実だった。白昼夢かもしれない、その方が現実っぽいかもしれない。だって。

 よーちゃんと私が伏せなきゃならなかったのはどうしてかって、ミシンが倒れかかって来たからだ。そこに倒れてる。すぐそこに。

大きな音の原因はこれ。誰かに叫ばれて伏せたわけだけど、あまり伏せる意味はなかったんじゃないだろうか。なんて変に冷静に考える。

横に避けた方が、むしろ安全だった気がする。