頭の上の方向で、大きな音がしたのがわかった。がっしゃん、それとも、どーん、か二つとも。

目を開けると、すぐ横に伏せてたよーちゃんは、ぴょこたんっと身を起こし、

「無事? 葉月ちゃん」


「私は、たぶん無事だけど、……ひらさか、」

「ためらわずによーちゃんって呼んでちょうだい。私の名字、変だから。平なんだか坂なんだか、でしょ、だって」


 こんな時にしてる話じゃないと思ってる間に、よーちゃんはすくっと立ち上がった。急いで立った私と、自分の姿を点検して、

「はぁ、ヨシ。怪我はないと」


と息をつくと、くるりと教室の真ん中に向き直った。