ウェルカムアワーズ

「なんだかなー。変なやつ」

見えなくなったとこで、よーちゃんが言う。そんな一言でいいんだろうか。それくらいには、いつもな状態だったんだろうか。わかんないな、さえこちゃんもよーちゃんも。


「もしかして、さえっちには見えちゃったのかも。お化け」

「お化け?」


 う。

「廊下進めないって、それっぽくない? まー、さえっちの事だから、ヘンな言い訳ってこともあるけどね」


 よーちゃんは明るく続けたけど、そんな事で打ち消したりはできないくらい、私の頭の中はお化けで充満してた、その時には。