お願い、とよーちゃんよりは可能性のあるような気がするさえこちゃんの方を見ると、視線を一ヶ所に固定して止まっていた。
不自然な感じで、私でなくて私の後ろを見ている。
「なに?」
気がついたよーちゃんが声をかけた。目を開けたまま寝てたのかと思うくらい、さえこちゃんはそれに驚いて体を引いて、――首を振る。なにかを振り払うみたいに。
「……悪い、よーちゃん。昼に会おう」
「なんだよ、さえこ。なに? さぼり?」
「ちょっと進めない、この廊下。なんとか言ってごまかしといて」
不自然な感じで、私でなくて私の後ろを見ている。
「なに?」
気がついたよーちゃんが声をかけた。目を開けたまま寝てたのかと思うくらい、さえこちゃんはそれに驚いて体を引いて、――首を振る。なにかを振り払うみたいに。
「……悪い、よーちゃん。昼に会おう」
「なんだよ、さえこ。なに? さぼり?」
「ちょっと進めない、この廊下。なんとか言ってごまかしといて」

