ウェルカムアワーズ

「あ、そうだ、葉月ちゃんを囮にして、さえっちに見させるのはどうだろう。こんなチャンスはなかなかないし、次に転入生があっても、セーラーだとは限らないし」

「あんたが転入生ってたすき掛けて突っ立ってるって言うなら、付き合ってやるけどね」


「さえっちが自分でたすき掛けて服借りて待ってるのが一番いいぞ。どう? これ」

「ぜってぇヤダ。バカな話してんじゃないよ、副委員長」


「ほんとのことじゃん。葉月ちゃん、この人さえっち」

「さえっちでーす」


「バカじゃないの、私がこう紹介したら、さえこはちゃんと名前言うでしょ、普通」

「私に普通を求めてるな」


「たまにはねぇ」