「これね、制服の歴史。まぁ、時代に則して変わってるよね。ありがとうって言うか」

 あんなとんでもないことだと言うのに、よーちゃんの中では簡単に終わりにされたみたいで、全然違う話を始めた。

松宮くんって、基本がああいうことをしてもおかしくはない変わり者なのかも。この様子からすると。


 中庭を抜けて、新館の校舎へ。被服室は一階の西。廊下にはウィンドーがあって、マネキン人形が並んでいた。

そして、午前中だと言うのに、奥は暗い。どうして? マネキンって言っても、人型って言うのか、顔とか手とか足とかはないやつ。

で、良かった。まともな人の形をしていたら、ちょっと夕方になったら怖くてこんな所にはいられない。


 前の学校で被服居残り常習犯だった私は、なんかちょっと気が遠くなりそうだった。