ウェルカムアワーズ

「まぁ、……うん」

「よーちゃんは嫌いなんだよ。めっちゃ嫌いなんだよなー。大丈夫かね」


 私からは松宮くんの顔しか見えないから、よーちゃんに何が起きているのかはちっともわかんないんだけど、その彼の表情は、見ればなんかわかってしまいそうなほどだった。

何か確実にまずいことになっているらしい。


 すると、

「そいじゃ、葉月ちゃん。またいずれ」


 すちゃっと軍隊みたいな敬礼をして、松宮くんは職員室に入っていった。


 圧倒されたような気が抜けたような、どっちでもない気持ち悪い気持ちで私がぼんやり突っ立ってると、職員室はよーちゃんを吐き出した。