黙っていれば、だなんて、つくづく変な人になってしまった松宮くんは、私にはいったい何を軸にしたのかわかんない間に、妙な反動のつき方で窓を飛び越え、私の横に着地した。
もうあんまり、さすがに心臓をどきどきさせたりはしなくなった。あきれる方が先って言うか、大きいって言うのか。
「葉月ちゃんは見たから知ってるだろうけど、ほんとはただのすり傷なんだよね。これはせんせーの嫌がらせ。傷口触るといけないからって。犬猫じゃないっつの」
嫌がらせ。
先生と生徒の間にしては、悪いイメージのない言い方をした。松宮くんは基本的に、先生たちといい関係らしい。
初めの日の職員室のことを思った。一年生担当の先生は、なんて言ってた?
座敷わらし。悪魔くん。
もうあんまり、さすがに心臓をどきどきさせたりはしなくなった。あきれる方が先って言うか、大きいって言うのか。
「葉月ちゃんは見たから知ってるだろうけど、ほんとはただのすり傷なんだよね。これはせんせーの嫌がらせ。傷口触るといけないからって。犬猫じゃないっつの」
嫌がらせ。
先生と生徒の間にしては、悪いイメージのない言い方をした。松宮くんは基本的に、先生たちといい関係らしい。
初めの日の職員室のことを思った。一年生担当の先生は、なんて言ってた?
座敷わらし。悪魔くん。

