ウェルカムアワーズ

「わかった」

「お任せお任せ」


 勝ちを充分意識した調子で歌うみたいに言って、よーちゃんは私の腕をとった。


「行こ、葉月ちゃん。教室移動、私たち」


 後ろで、コバヤシくんがなんかぶつぶつ言ってる。文句みたいに聞こえるけど、それよりもどこか、当然な事みたいな感じで。

一度くるっと振り返ったよーちゃんにつられて私もそっちを見ると、……コバヤシくんも同じ方に首を回した。


何、やってるんだろう、これは。


「よー」

「なにー?」