誰の姿もない廊下。松宮くんはずんずんと進んでいった。
庭、つまり地面を踏んで歩いていたのに、そのまま入っていい校舎が変な感じだった。この学校には上履きはなくて、土足のままなんだ。
ということは、廊下の雑巾掛けなんていう掃除の仕方はしないということだよね。モップとかかけるのかな。大変そう、だなー……。
「どうかした?」
え、あ、掃除、とか、大したことじゃ別にっ。えっと。
「下駄箱とか、ないんだなぁって、思って」
「あぁ、ウン。どっからでも入れて楽は楽だけど、靴の傷みが早いんだよね、当然」
笑う松宮くんを前に、私は話をすり替えられたことにほっとしていた。だって突然、掃除の話とかないでしょう、普通は。
庭、つまり地面を踏んで歩いていたのに、そのまま入っていい校舎が変な感じだった。この学校には上履きはなくて、土足のままなんだ。
ということは、廊下の雑巾掛けなんていう掃除の仕方はしないということだよね。モップとかかけるのかな。大変そう、だなー……。
「どうかした?」
え、あ、掃除、とか、大したことじゃ別にっ。えっと。
「下駄箱とか、ないんだなぁって、思って」
「あぁ、ウン。どっからでも入れて楽は楽だけど、靴の傷みが早いんだよね、当然」
笑う松宮くんを前に、私は話をすり替えられたことにほっとしていた。だって突然、掃除の話とかないでしょう、普通は。

