王様とアタシの絶対恋愛制度



始まりを告げるチャイムが鳴り響く


「セ、セーフ!!」


徐々に人気の少なくなる
廊下を全力疾走して
勢いよく教室の扉を開けた


な、何とか間に合った…


額にジンワリと滲む汗を拭い


荒い呼吸を整えていると


「おっ、はぇーな!」


扉のすぐ横の席に既に腰を
下ろし、余裕そうな知晴が
あたしを見て爆笑していた


もう、こっちは必死なのに…


あたしは無言で知晴の前の
空席に腰を下ろす


まだ新学期に入ったばかりで
席順が出席番号のため


私、市川 凪紗(イチカワ ナギサ)と
大杉 知晴は席が前後で
廊下側の後ろと後ろから2番目


正直、知晴の前は緊張する


あたしから知晴を見るには
後ろを振り返らなくちゃいけないけど


知晴は常にあたしの背中と
向き合っているわけで…


知晴は何を見てるんだろう
知晴はあたしを見てどう思うんだろう


ってどうしても考えてしまう…


─つんつん


「ん?」


後ろから突っつかれ


「なに…?」


顔だけ後ろを振り返った


静かな教室に響かないように声は抑える


知晴はダラッと頬杖を着き
上目遣いであたしの目を見ると


ヒラヒラと手招きをした