だけど、まあ。

そんなあられもない姿も何十回と見れば、なんとか見慣れてくるもので。

今では心の中で呟くだけで、煩悩は消滅していた。


「じゃあ飯作るから。その間に風呂入ってくれば?」

俺も成長したよな、とマリカを見上げながら、そう自分を褒める。

「うん。そうする。焼きそばが食べたい」

ちゃっかりリクエストをしながらマリカは俺に背を向けて、クローゼット代わりに使っている押し入れを開けた。


「じゃあ、お風呂入ってくるね」

右手に握られた淡いオレンジのブラとショーツを隠そうともせず、マリカは風呂場へと向かった。

機嫌よさ気に、左手をふりながら。