「司ちゃぁ~ん」

「きもっ」

「・・・・・・」


あ、黙った。


「わりぃ」

「あーんして~」


・・・


「は?」

「腕が痛くて~お箸持てませ~ん」

「動くだろーが、自分で食え」

「・・・ひでぇ」


遊は左手で

煮物をつまんで

口へ運んだ。


「うっま!!毎日こんなん食ってんの??」

「あぁ、」

「ずっり~~っ」

「亜美に伝えとくわ」

「ずっげーうまかったって言っておいてな」

「おぉ」


遊がペットボトルに

手を伸ばした。

右手を・・・

伸ばした。


「よっこいせ」



ボトン



ペットボトルが虚しく

遊の手の間から

すり抜けて

地面に落ちた。