司SIDE


ガラ


「お!司」

「よぉ」

「ほれ、カルピスちょーだい」

「ほらよ」

「え、2ℓ?!」

「お前には丁度いいだろ」

「ま、サンキュ」


ケガしてから

2週間が経とうとしていた。


「傷は、どお??」

「だいぶよくなったぜ、ほら、カルピス持っても大丈夫だし」


持ち方が・・・

おかしい。

いつもならペットボトルの底なんて

持たないのに。


「持ち方おかしくね??」


笑いをいれながら聞くと

遊の顔は一瞬、一瞬だけ

沈んだように暗くなった。


「んなこといーじゃねぇかっ、つかー司が持ってるソレ何?」


話を変えられてしまった。


「あ、忘れてた。これ亜美が作った煮物。」

「おっ亜美た~んっ」


指が動かないってほんとか??

なぁ、素直に言えよ。

いつもみたいに笑って言えよ。