「今月はハロウィンだよ、ママ」


里菜の言葉に、紗菜も頷く。


「友達が、一緒に仮装して回ろうって」


「俺も!俺も言われた!」


瑠加も嬉しそうにぴょんぴょんととび跳ねる。


「ああ、そうなんだ。衣装は?どういうのにするか決めたの?」


わたしの言葉に、3人がにっこりと笑って答えた。


「「「お店に見に行きたい!」」」


というわけで、週末、わたしたちはまたレジーの車に乗って、ハロウィンの衣装を買いに出かけたのだった。


カラフルでユニークな衣装が、所狭しと店内に溢れていた。


子供用のものはサイズごとにたくさんの衣装が並べられていて、そのデザインのユニークさと種類の豊富さは圧巻だった。


「どうしよう、すごい悩むんだけど」


里菜がおろおろしている横で、紗菜はある衣装に近付き、それを手に取った。


「あたしこれがいい!」


紗菜が手に取ったのは、黒地に瑠璃色の模様が美しい蝶の羽が付いた衣装だった。


「蝶々?」


「うん。これね、ミヤマカラスアゲハの模様に似てるの」