年下の王様

絶対運動オンチなのは確実なのに図々しくもピッチャーなんて…。



優勝する気なんかねぇだろ…。



「あたし…ピッチャーやりたいから陽菜ちゃん別のに出てよぉ!!」

「えぇ~…。じゃあねぇ、バレーでアタックキメてみたい!!」



お前の体育祭じゃねぇぞコラ…。



空気が読めない陽菜のフォローはもちろんクラスメイト。



結局陽菜は卓球に出ることになった。



不服そうな顔してんだけど…。



「斗和はなにに出る?俺サッカーやりてぇなぁ」

「走りたくねぇ」



ボソッと言ったその一言…。



キラッと輝いた担任、北川センセーの目…。



「宮君、今なんて?」

「走りたくねぇって言った…」

「じゃあ宮君はサッカーとリレーに出てね~!!やる気出さない人は認めないっ!!」

「死んでも走んねぇ」

「足長いのに遅いの?もしかして運動オンチ~?」



それはてめぇだろうが!!



ムカつくから出てやろうじゃねぇか。



陽菜にバカにされたままじゃ腹の虫が治まらん。