年下の王様

なのに…。



「センセー!!ケーキ食べるよぉ~!!」



なんてカワイイ声…。



チビ斗和…。



「遊吾~…。クソ~…。未遂っつーのかコレ…」

「うん…」

「どうすりゃいいんだよ…」

「ケーキ…食べよっか…」

「…………だな」



半分苦笑い。



だけど半分ちゃんと笑えた。



ケーキまで頂いて帰るあたしに約束事。



『絶対にバレないようにすること』

『頻繁にお互いの家に行かないこと』

『仕事と勉強を疎かにしないこと』



その3つがこれから斗和と付き合って行く上での条件だった。



「守ります!!」

「頼んだよ、北川先生。バレたら俺だってリスクデカいんだから。じゃあ送るから車に」

「タクシー呼んでいただけたら…」

「そんなに給料あげてたっけ?ムリしないで乗ってけ」



結局斗和もついて来て、理事長に送ってもらって帰った。



理事長って優しい…。



感動しちゃった…。



「じゃあ明日から新学期、ヨロシクお願いします」

「こちらこそ!!」



もっと頑張るから。