勘違いで母ちゃんに泣かれてしまい…。



この状況を苦しんでるのは俺だけじゃないってわかった。



ひとりで出す決断は恐怖しかない。



陽菜がクビになったら俺を攻めるだろうか…。



俺が留学なんかしたら…遊吾は大丈夫かな…。



陽菜から離れる自分を想像すると怖かった。



病気みたいに陽菜に触りたくなるあの衝動…。



離れたら死ぬかもしれない…。



でも…陽菜がクビになったら悲しむのは陽菜だけじゃなく、陽菜の両親も悲しむんだ…。



もう決めるしかない。



夜に父ちゃんが帰ってくるまで寝た。



同じ食卓を囲む父ちゃんと俺…。



そりゃあ気まずくないわけない。



母ちゃんが気を使い、割れたテーブルの話しはしなかった。



「父ちゃん、俺…」

「まだ決めなくていいぞ?あと少し時間あんだろ」

「もういい。俺…アメリカ行く…」

「そうか。わかった」



これしか選択できなかった。



陽菜の周りが悲しまないのはこれがいちばんだと思ったから…。



勝手に決めてごめんな…。