年下の王様

陽菜から離れたらどうなるかわかんねぇのに…。



アイツ、危なっかしいから俺がいなくなったら誰かに持ってかれる…。



「留学なんかしねぇ…」

「じゃあ決まりだな、北川先生はクビ。晴れてお前と北川先生はおおっぴらに付き合えました~。おしまい」

「陽菜をクビに…?」

「それしかねぇだろ」

「待って…待ってよ…。少し…考えさせて…」

「わかった」



俺がいなくなるか陽菜がクビになるか…。



バレるってこういうことだったんだ…。



父ちゃんがいなくなった部屋から財布と携帯だけを持って外に行こうとした。



「勝手なこと言わないでよ!!」

「サチは黙ってろ。これは俺が解決する」

「あたしだって斗和の母親なのに!!」

「俺だって父親だ!!」



滅多にケンカなんかしない親が言い争ってる…。



完璧に俺のせい…。



どうしたらいいのかわかんねぇ…。



クソっ…。



「父ちゃん、ちょっと…会ってくる…」

「ダメだ。部屋に戻れ」

「なんでだよ!!少しくらい話したって…」

「携帯出せ。お前が決断だすまで連絡は取らせない」



なんだよソレ…。