年下の王様

その日の夜、帰ってきた父ちゃんにも同じことを言われた。



だから俺だって恋くらいしてるって…。



「好きな女いるから」

「「どんな人!?」」

「どんな…。どんな?」

「なんだよ…。ウソか」

「ウソじゃねぇから!!」

「だったら連れて来てみろよ。どうせ適当な女なんだろうけど~」



言えるわけねぇだろ!!



担任と付き合ってるなんて…。



「兄ちゃん、センセー好きなんだぞ」

「「は…?」」



遊吾っ!!



お前なんてことを…。



「ヨータが言ってた!!兄ちゃんとヒナ?大好きって」

「ヒナ…?ちょ、ちょっと来い。斗和、顔を貸せ」



最悪なオチなんじゃねぇのコレ…。



家庭崩壊しかねねぇぞ遊吾…。



あんなにバレんの怖がってたのに…。



父ちゃんに呼ばれて入った自分の部屋。



ただならぬ空気…。



「本当のことか、なにかの間違いか。正直に答えろ」

「ヤダ…」

「肯定だな…。マジかよ…。北川先生だろ?」

「…………」



なにも…言いたくないです…。