年下の王様

【斗和】



陽菜の心は揺れてるんだろうか…。



あの電話では、陽菜が泣き喚いて終わった。



『なにも大事にできてない』とか『守るって約束したのに』とか…。



違うぞ陽菜。



お前に隙を与えてんのは俺だ。



俺が悪い。



陽菜の気持ちをつなぎ止めておけなかった俺の責任…。



次の日、陽菜からのメールで酒を飲んでたことが発覚。



ついでにキスしたんじゃなく、正確にはされたってことも…。



それを知ってホッとする…。



揺れてるわけじゃねぇんだよな?



『離れたくねぇから。俺の気持ちは変わんねぇ。なんか俺、ダメなとこしか見せてなくて悔しくなる…』



精一杯の気持ちだった。



きっと言えないくらい悩んだんだと思う…。



俺が受験で忙しい時期に入ったから余計に…。



毎日のメールも寝坊したり、勉強したまま寝たりでしてやれてなかったから…。



陽菜がもし寂しい思いをしたとすれば、原因は俺にある。