年下の王様

メールを見た後、昼間からお酒に逃げた。



酔ったあたしの取る行動はもう勢い。



『斗和以外の人とキスした。ごめんなさい…。もう合わせる顔がない…』



それだけ送った。



部屋にあったビール5本、ストックのビールがなくなったからウォッカをソーダで割ってレモンを入れた。



大人と呼ばれる歳なのに、やってることは卑怯極まりない。



ただお酒に逃げただけ。



もう苦しくて…。



気分が悪いのか、気持ちが悪いのかわからないけどとにかくトイレで吐いた。



夜中に鳴った携帯には宮崎君の文字…。



いい加減『斗和』でもよさそうなのにと、なぜか笑えた。



「もしもし…」

「どういう意味かわかんねぇ…」

「ごめんなさい…」

「ずっと勉強してた…。他にすることねぇしさ…」

「ごめっ…」

「俺は…どうすりゃいい?なんか…わけわかんねぇ…。意味が理解できねぇよ…」



『バカなのか、俺…』



そう言って笑った斗和に胸が痛んだ。



涙ばかりが出て来て、言葉が繋がらない…。