年下の王様

キッと睨むと優しい笑顔…。



大人の対応なんだろうか…。



あたしにはムリ。



「イヤな思いさせてごめんね」



予想外だった…。



まさか謝るなんて思ってなかったから拍子抜けしてしまう…。



「昨日のことは申し訳なく思ってる。でもね、君を好きになったことを後悔はしてない。それだけは…わかってて…」



耳元で囁くようにそう言った辰衣先生はまさに妖艶…。



色気のある雰囲気…。



人を引き付けるなにかを持ってる…。



昨日とは違うドキドキが体を支配した。



これって…浮気心。



ヤダよ…。



斗和に会いたい。



今すぐ会って…抱きしめてよ…。



好きって言って昨日のキスを上塗りして?



斗和っ…。



「陽菜?どうしたの?」

「な、なんでもないです!!次の授業の準備しなきゃ…」

「陽菜…?」



斗和に会いたい…。



会って抱きしめてもらいたい…。



もうここにいたくない…。