年下の王様

そんなチビふたり、なにやら飲むらしい…。



父ちゃんは下戸ってヤツらしく酒が飲めない。



だから母ちゃんが家で飲むってのも少ないから今日は嬉しそう…。



「じゃあ俺もビール」

「バカか!!未成年!!」

「飲めないからって…」

「酒なんか飲んでもいいことねぇんだから」



父ちゃんはグラス一杯で記憶をなくすほどらしい。



若い頃はムリに飲んだ酒で他人に迷惑かけたとか…。



「飲んでいいの?」

「どーぞ」

「じゃあ飲みます!!」



陽菜はどちらかと言えば酒好きなんだと思う。



冷蔵庫にはいつもなにかしら入ってるし。



「理事長と居酒屋で会った時も飲まなかったんですか?」

「俺はメシ食いに行っただけ。いい運転手だからよく連れて行かれんの」

「気の毒ですね~」



完璧人事だな、陽菜。



目の前の料理がうまそうだから?



カワイイな…。



「お刺身とかどれくらいぶりだろ~!!」

「刺身食えるくらいの給料やれよ父ちゃん!!」



将来は俺が…。