年下の王様

寒くて寒くて早めに旅館に戻った。



だけど心はポカポカ~!!



「斗和も手とか繋ぐんだね~」

「母ちゃんっ…」

「なんか意外!!ねぇ、楽しい?」

「まぁ…」

「よかった!!いっぱい思い出作りなね!!」



この旅行にあたしを呼んでくれたのは理事長と奥さんが禁断だったからかも…。



ふたりでいれる時間をわざわざ作ってくれたのかもしれない。



よくわかってらっしゃる…。



「思い出だって。どこで作る?」

「なんか…エロいこと考えてない?」

「普通に」

「ヤダよ!!バカじゃないの!!今日は絶対シない!!」

「お前ってホント、固い。少しは適当って言葉を学べよ」



斗和が適当すぎるだけなんじゃないの?



だって彼氏の親との旅行だよ!?



ムリムリムリムリ。



「デートとかの思い出もあんまりねぇからな…」



そんな切ない顔してもダメだからね!?



あたしは騙されないよ。



「ごめんな…。俺が生徒だから…」



あ゙ぅぅぅ~…。



騙されたい…。