年下の王様

ベロベロに酔って帰ることもある。



帰らない日もある。



あと3日で帰るエミリーに毎日怒られる…。



「お酒臭いよ、斗和」

「もう寝たら?」

「斗和のことが心配で…。ねぇ、あたしと一緒にアメリカ来ない?」

「なんで?」

「あたしみたいにとりあえず2ヵ月とかさ、なんか変わるかもしれないよ?」



人生リセットしろって?



遠回しに言ってる?



「それもいいかも…」

「そうしよ?今度はあたしが斗和の力になるから」

「お前いいヤツだよな…。女友達って今まで出来たことなかったけど…。エミリーだけは心から信用できる…」

「もう見てらんないよ…。斗和は大事な友達だから余計ね」



そうしよう…。



少し今の状況から逃げようと思う。



そうでもしなきゃ、俺はきっと壊れる…。



「父ちゃん、ちょっといい?」

「ん?」

「俺をアメリカに行かせてくれ…。とりあえず1ヵ月とか2ヵ月でいいから」

「ちょうど留学するヤツ探そうと思ってたからちょうどいい」



今はとにかく…逃げよう…。