年下の王様

【斗和】



夢を見るのがイヤだ。



毎日考えてるせいで陽菜が出て来るから…。



寝るのも、食うのも、息をするのですら面倒だと感じる…。



生きてんのに死んでるみたい。



「斗和君超カッコイイんだも~ん。年下も好きだよ?」

「じゃあ一晩だけ付き合ってよ。金ねぇけど」

「あたし出すからどっか行こう」



さっき知り合った女と酒を飲んでる。



クラブへやって来たらなぜかこうなった。



まぁいい、誰かそばにいてくれんなら…。



「やっすいラブホ~」

「文句言わないでよね、あたしが出すんだから」

「じゃあ尽くしてあげる。俺、サービスいいよ?」

「酔いすぎ~!!お風呂入ろっか!!」

「入ろっか~」



一時期、陽菜以外ムリだと思ってた。



体も心も陽菜にしかやれないって。



だけどその陽菜に触れないならもうなんだっていい。



俺なんかどうなったっていい。



落ちるとこまで落ちたら楽になった。