年下の王様

廊下に出てハンカチで涙を拭いた。



なんで止まってくれないの~!!



「陽菜ちゃん?大丈夫?」

「だ、大丈夫…。出席…」

「保健室に行きな。あとは任せていいから」

「でもっ…」

「陽菜ちゃん、行きなさい」



そう言ったのは片桐君で…。



なにもかもわかってるような顔して…。



あたし…子供すぎる…。



「もう平気っ!!心配してくれてありがとね!!」

「陽菜ちゃん…。今日進路の相談乗って?」

「進路?わかった…?」



片桐君のおかげで涙が止まったよ。



ありがとう…。



「大丈夫?」

「ゴミ入ったみたい!!じゃあ出席~」



こんなんじゃダメだ。



あたしが斗和にしてあげられることは見守ることなんだから。



好きな気持ちを封印する。



教師と生徒。



それ以外、なんの関係もない。



平気、全然平気。



「修学旅行、雪国だからさ、いっぱい雪積もってたら雪合戦しようね!!」

「陽菜ちゃんしかやんないと思う…」



あたしはもう、平気。