年下の王様

その日、初めて千奈美とふたりで遊んだ。



家に連れて来て…。



ずっとどっか触ってる。



手とか肩とか。



どこだっていい。



温もりが欲しいだけ…。



「斗和君はあたしを好きじゃないよね?どうして付き合ったの?」

「なんで…?」

「見てればわかるよ。なにがあったの?」

「ぶっちゃけると好きな女にフラれた。ごめん、千奈美のこと好きになれるかわかんねぇ…」

「あたし、頑張るよ。好きになってもらえるように」

「ごめん…」



なにしてんだ俺…。



千奈美のこと利用してるだけだろ…。



マジ最低…。



「甘えるだけ甘えていいよ…。あたしがその傷癒してあげるから…」

「マジ…ごめん…」



誰かにそばにいてほしかっただけ…。



誰でもよかった。



俺が声かけた後輩でも。



もう苦しくて…誰かに縋りたい…。



情けねぇ…。



情けねぇよ…。



陽菜が好きで…好きすぎて忘れらんねぇ…。