年下の王様

こうして俺と高梨は付き合うことになった。



下の名前、千奈美っつーんだって。



ピュアっぽくてたまんねぇよな。



たまんねぇ…。



「チー、今日ヒマならうち来る?」

「離して斗和君~…。恥ずかしい…」

「ヤダ。死ぬほど愛してくれんでしょ?」

「そうだけど~…」



俺と高梨の噂はすぐに広まった。



陽菜の耳にも届けばいい。



少しでも俺のこと考えればいい…。



「おはよ~!!みんな元気ですかぁ~!?」

「陽菜ちゃんがいちばん元気で~す」

「テンション上げようよ~。あっぶない…コケるとこだった…」



陽菜なんか嫌いだ。



お前なんかいなくなればいい。



それよりも俺なんか消えちゃえばいい…。



「斗和君、今日行くから」

「じゃあ一緒に帰ろうな」

「うん!!」



千奈美もカワイイ。



好きになれればいいのに…。



好きに…。



誰が恋愛なんかするかよ。



もうあんな思いはしたくねぇ。