年下の王様

【斗和】



なんだよ。



俺なんか結局いらなかったのか。



本気で好きになったヤツにフラれるってスゲーキツイ…。



授業になんか出る気になれなくて、もう3時間目なのに動けない…。



父ちゃんの部屋からパクッたタバコと屋上の横にある倉庫のカギ。



こういうのって自暴自棄ってこと?



『お前サボり?』



陽太から来たメール。



返す気にもなんねぇ…。



むしろ陽菜に繋がらない携帯なんかゴミみてぇなもん。



バキッと折ってその辺に放り投げた。



あんなヤローのなにがいいんだよ…。



ヤベェ…柄にもなく泣きそう…。



そう思った時、カギが開く音…。



「斗和っ!!カギとタバコの犯人はお前か!!」

「ごめ~んね~…」

「どうした?」

「なんかもう…どうでもよくて…」

「お前…携帯…」



父ちゃんと父ちゃんの友達の羽賀先生…。



羽賀先生って呼べって言われてるから学校ではそう呼んでるけど…。