年下の王様

苦渋の決断ってこういう場合に使うんだ…。



『やっぱり英希のとこに戻るね。もう終わりにしよう?楽しかったよ、斗和。バイバイ』



手帳のメモ用紙にそう書いて、キーケースから合い鍵を外して真夜中に部屋を出た。



あたしのことを恨めばいい。



嫌いになって…。



他の子を好きになってくれたらいい…。



あたしは斗和が大好きだからね…。



見守る愛に徹する。



家に帰ったら当たり前のように英希の姿。



飲んでから寝たのか、空になったビールの缶がテーブルの上に乗ってた。



「英希…」

「おかえり~…」

「あたし、英希じゃなきゃムリみたい」

「無表情でそんなこと言うなよ…。まぁいい、来て?」



斗和…斗和…斗和…。



斗和といるときは…心が温かかったよ…。



好き、斗和…。



ごめんね、手放して…。



大好きだよ…。



だから幸せになってね?



「お前、男くせぇ…」

「もう別れたから」

「独占欲の塊みてぇなヤツだな。なんだよこの体」



斗和には手を出させないんだから…。