振り払って逃げたかったのに掴まれた腕の力が強い。



そのまま抱きしめられるような形になって…。



無理矢理ポケットから出されたカギ…。



「携帯はこっち、カギはここ。変わってねぇな、陽菜の癖」

「やめて!!返してよ!!」



ニコッと笑った英希がカギを開けて当たり前のように中に入った…。



あたしの部屋なのに…。



引っ越しておけばよかった…。



「陽菜~、灰皿どこ?」

「捨てたよ。そんなの」

「じゃあこれでいい。懐かしいなぁ、このベッド」



あたしはここにいちゃダメだ…。



必要なものをバッグに詰めた。



出なきゃ…。



「明日は帰って。カギはポストに入れといていいから」

「一緒に寝ねぇの?久しぶりに」

「英希と寝たら取り返しの着かないことになるでしょ」

「今の男がそんなにいいんだ~。優しいセックスにでも溺れた?」



うるさいうるさいうるさいっ!!



顔も見たくないのに!!