その日は夕方まで陽菜といた。



バイトもやめるからこれからは陽菜のそばにいれる…。



元カレの影に怯えて暮らすなんてごめんだ。



そんなの俺らしくねぇ。



「父ちゃん」

「んー?」

「母ちゃんのためなら死ねる?」

「もちろん。アイツは俺がいなきゃダメだから死なないけどな」

「ははっ!!たしかに」



どうなったっていい。



陽菜のそばにいれるなら…。



俺、負けねぇから。



陽菜のことを守るのは俺だ。



悲しませたりしない。



自分になにができるのかなんてわからないけど…。



だけど陽菜だけは離さない…。



「兄ちゃん怖い…」

「ん!?ごめんごめん、風呂入るか」

「うん!!」



陽菜とこれからも一緒にいるためにできることはなにか…。



わからないけど俺が陽菜といたいから…。



だから絶対負けてやんない。



陽菜は俺が幸せにすんだ。



絶対、絶対負けない。