年下の王様

他に夢もないからいいかな、なんて思ってるし。



俺は流れに身を任せるってことで。



「斗和、ちょっといい?」

「俺!?」

「うん」



なぜかチカちゃんに呼ばれた…。



なぜチカちゃんが俺を呼ぶ!?



連れて来られたのは屋上に繋がる階段のいちばん上。



なんで俺なんだ?



「好きなコいるかな…」

「はぁ!?」



俺に告白とかやめろよ!?



陽太と気まずく何だろ!!



「陽太…。好きなコ…いると思う?」

「よかった…ビビった…」

「いるかってば!!」

「あぁ、いんじゃね?なんで?陽太のこと好きなのか?」

「見ててわかるでしょ!!でも陽太ってモテるし…。女のコと遊んでるみたいだしさ…。見込みないなら言いたくなくて…」



今の関係を壊したくないんだとさ。



よかったじゃん、両思いで。



これは陽太に告らせるべきだな。



「遊んでる女なんか適当なヤツだから。アイツ、チカちゃんになんかしたか?」

「なにもされないから嫌われてるのかなって…」



逆、逆。