「お母さんは呉服屋で働くような彼氏が欲しかった。だから着物屋さんに通った。 女子高生っていう若さをアピールしたくて制服でわざと通った。 買わないと見せかけて、店員さんが選んでくれていた浴衣を買った。 花火大会特有の相乗効果を狙って告白をした。 全部わざとよ?全部自分で作ったわ。 でもお母さんそれを何も後悔しないし、お父さんを騙してるなんて悪かったなんて思わないわ」 どうして、と口を揃えて言う娘たち。 「だって好きになったのよ?」 屁理屈を言うだなんて、なんだか“少女”のよう。