「内緒」
「もう、やめろよ、そういうの……」
「うん、そうする」
「そうか……って、え……?」
「もう、家出まがいのこと、しないよ。約束する」
みちるは、宗太に合わせてしゃがみ込み、ゆるやかな笑みを浮かべた。
「でも、君の事は、ずっと『兄さん』て呼ぶことにする」
宗太は呆れて口をぱくぱくとさせていたが、そのうち諦めて、
「……もう、勝手にしな」
ばつが悪そうに、言った。
この度の喧嘩の勝利をおさめたみちるは、
「ありがと、兄さん……」
と満足げに言った。
呼ばれながら宗太は、『この血の繋がらない同い年の弟は、何やら思っていた以上に手強い奴だったのだ』と思った。



