もっとも、細かいところを除けば、大体は合っていた。 ただし、この『舞台からダイブ接吻事件』は(語弊があるものの)、 演劇部始まって以来のドラマチックな事件として、 今後長く語り継がれる事になる。 「命を救ってくれた王子様を、 引っぱたいて逃げるお姫様なんて、 なかなかいませんよ先輩!」 「これで一本、台本書きましょう!」 「もちろん主役は先輩で!」 悪気の無い彼女達は、好き勝手言ってくれる。