状況を悟り、空気を呼んだ部員達は、 事情を知らない顧問にこんな嘘を吐いた。 舞台の照明の位置を変えようとして、 倫子が落ちそうになったところを、偶然近くにいた他校の教師に、 助けて貰ったと。 顧問は、それを簡単に信じた。 あまり部活に顔を出さない彼は、 生徒達の様子が演技なのかそうではないのか、 見分ける事が出来なかったのだ。