そっと指で、唇を触ってみた。 数秒前の感覚が蘇り、怒りに変わる。 初めて、だったのに。 こんな、大勢の前でするなんて。 恥ずかしくて仕方が無かった。 それ以上に、大問題であるはずだった。 自分達が交際をしている事は、 極力秘密にしていたはずだったから。 特に、彼は。