信也が何事だろう、と体育館を覗いた時、 少し離れた舞台の上では、妙な人だかりが出来ていた。 皆、上を見上げている。 「靴なんていいです、早くして!」 スニーカーに指をかけた時、 半ば怒鳴るように言われてしまった。 教師として、土足で他校の体育館に踏み込むのには抵抗があったが、 相手が「いい」と言ったので、 そのまま駆け上がった。